バンカラ街道80キロ 〜福岡高校応援団の25時間〜

hirokuma2005-05-22

NHKアーカイブスで放送されていた番組。1985年放送。

夜、パソコンにむかいながら、なんとなく聞いていた番組。宇野重吉の最後の旅公演についての番組をやっていたハズなのに、いきなりバンカラな応援団員が出てきてどうしたことかと思っていたら番組がかわっていた。

岩手県二戸市福岡高校応援団が、甲子園の県大会の初戦が行われる前の日から、先輩から代々受け継いだボロボロの学生服に学帽、足には下駄というスタイルで、試合が行われる盛岡市の球場まで80キロの道のりを、前日から丸一日かけて歩く「80キロ行軍」に密着したこのドキュメンタリー、いや〜、熱かった!!応援団も熱ければ、応援する女子高生も熱い!歩いている応援団を見てるだけでもう号泣してるんだもん。BGMで「翼の折れたエンジェル」が流れていて、中村あゆみが「しくすてぃーん、はじめてのキス♪」なんて歌ってるんだけど、もうキスなんてとんでもない!って感じな16歳。

でも中には「野球部のために歩いてるんじゃない。自分の鍛錬のためにと思わないとやってられん」なんていってる、すでに手段が目的化しちゃってる高校生もいたりして、それはそれでおもしろかったのだけれど。

彼らは途中で大雨にたたられながらも、結局25時間かけて80キロ踏破!そしてなんと野球部は、甲子園にまで出場しちゃうのです。ドキュメンタリーとしてこれほどおいしいことはないわけで、そういう意味でも貴重なフィルムでした。

ちなみに福岡高校の学生達がつくっているホームページがなかなかにおもしろい。http://www.nnet.ne.jp/~nana/hukuko.htm
野球部伝説とか応援団伝説とかいろいろあって、なんだかなつかしい感じがする。地域の人たちも野球部に対する思い入れがものすごく強いみたいだし。

こういう地域ぐるみで楽しめることがあるっていうことは、その地域の貴重な財産だと思う。昨日の研究会でも、「地域とは何か」ということが話題になったのだけれど、こういう共通の関心とか経験とか、住民が共有している「何か」が地域を形づくっているのではないだろうか。その「何か」がはっきりとしている地域は、市町村合併などがあったとしても、しっかりと「地域」としての形を維持し続けることができるのではないだろうか。