意図的な回避

5月31日の日テレNEWS ZEROで、件のジュゴンの撮影の様子が放送されました。

録画しておいたものを先ほど見てみたのですが、思っていた以上によく撮れていました。なんというか「ふつーに」かわいかったです。

しかし、ジュゴンの取り上げ方が、あまりにひどい。言い方は悪いが、普天間基地移設問題を環境問題に矮小化していたといわざるを得ないですね。

基地移設に関しては、ほんの少し触れられただけ。「ジュゴンの絶滅を促進する可能性が懸念されている」というふうな言い方。

「懸念」なんてもんじゃあないですよ、あんた。ジュゴンは海草しか食べず、その海草は沿岸部の静かな海域でしか育たないってことまで伝えておいて、沿岸部を埋め立ててつくることになっている普天間基地の代替施設の建設を「懸念」ですませるって、そりゃねーだろ。

番組では、赤土の流出による海草への影響が強調されてたけど、埋め立てられたら影響どころの話ではない。

さらにひどかったのは、メーンキャスター村尾氏。「環境アセスというものがあって・・・」と、訳知り顔でしゃべってましたが、ついこの間まで辺野古の沖合でなされていたのは、その環境アセス法に違反した事前調査という名のアリバイ作り&着工までの時間の短縮でしょーが。

番組全体に、基地問題を切り離してジュゴンだけをとりあげたいという意図がみえみえ。
そのジュゴンにしたって、絶滅しそうな状況を伝えるというよりも、貴重な映像がとれてうれしかったよかったわーいわーい的な取り上げられ方。
ジュゴンの映像は、番組を盛り上げるための道具でしかない。
映像自体は貴重で重要なものだということにかわりはないけど。

しかしまあ、ここまであからさまに基地問題をスルーされるとはね。これなら放送されなかったほうがましなくらい。