新刊2冊

3月から4月にかけては、専門書の出版シーズン。
もちろん新年度の授業開始に間に合わせるためです。
ある程度、教科書としての販売が見込めないと、なかなか出版は難しいのです。

ということで3月、4月に自分も執筆者に加わっている本が2冊、出版されました。


その1 早川洋行編著『よくわかる社会学史』(ミネルヴァ書房、2800円+税)


昨日、著者宛に届いたばかりでまだamazonにも載っていませんが、近日中に書店にも並ぶと思います。
敢えて「社会学史」とタイトルに入れているところからもおわかりのように、本書は多岐にわたる社会学の分野ごとの「学史」がまとめられています。


順にあげていくと「行為論」、「相互作用論」、「構造論」、「社会的性格」、「準拠集団」、「イデオロギー」、「家族」、「環境」、「マスコミュニケーション」、「若者」、「ジェンダー」、「経営」、「社会的逸脱」、「都市と地域社会」、「社会運動」の15分野。


網羅的でもあり、マニアックでもあるラインナップで、これまでにはない社会学の入門書になっていると思います。


なお自分は「環境」を担当しています。
基本的には環境社会学の学史ですが、日本の環境社会学研究の前夜として、公害研究の系譜から書き起こしています(これが大変だった・・・)。
そもそも「学史」的なものは苦手なのですが、去年の夏休みの大半をつかって執筆しました。


現在社会学を学んでいる方も、かつて学んでいた方も、これから学ぼうとしている方も、ぜひ本書をご購入いただければと思います。




その2 舩橋晴俊編『環境社会学』(弘文堂、2700円+税)

環境社会学

環境社会学

第1章 現代の環境問題と環境社会学の課題
第2章 公害問題の解決条件
第3章 労災・職業病と公害
第4章 廃棄物問題
第5章 100年前の公共事業が引き起こす環境破壊
第6章 自然保護問題
第7章 農業と食料
第8章 生物多様性問題への環境社会学的視座
第9章 地球環境・温暖化問題とグローバル世界の展望
第10章 エネルギー政策の選択
第11章 科学技術と環境問題
第12章 環境自治
第13章 環境NPOと環境運動
第14章 環境問題の解決のための社会変革の方向
●コラム多数収載
付録:(1)環境社会学参考文献リスト
   (2)環境に関する資料検索方法やデータベース

こちらは文字通り「環境社会学」の専門書です。
目次を見ていただければわかるように、環境社会学の分野で近年盛んに議論されている領域が網羅された、たいへん便利で有益な本に仕上がっています。
これから数年の間は、本書が環境社会学のスタンダードとして位置づけられるのではないかと思います。
執筆者も、いわゆる大御所は舩橋先生くらいで、あとは若手、中堅の環境社会学者ばかり。

なお、自分が担当したのはコラム「普天間基地移設問題」の1ページだけなんですけどね(苦笑)


以上、宣伝でした〜