東京バンドワゴン

ご無沙汰しておりました。特段に忙しかったというわけではないのですが、なんとなく更新しそびれていただけで、本人はいたって元気です。


さて、自分で自分のことを研究者などというのは口幅ったいのですが、およそ研究者と呼ばれる人たちは、常に何か読まなければならない研究書なり論文なりを抱えていると思います。

かくいう自分もそうであり、鞄の中にはたいてい、すくなくとも新書や論文のコピーなんかがはいっています。

しかし、そんな小難しい文章ばかり読んでいるとストレスがたまります。
活字中毒者としては、流れるように読むことのできる、先が気になって仕方のない文章が読みたくなるのです。
そんな時期が1年に何度かあります。


さて、少し時間を遡って6月19日のこと。

この日は土曜日だったのですが、朝から社会調査実習の関係で日野市のとある自治会におじゃまし、さらに午後も別の自治会にいってそうめん流しに参加して、さらにさらにその後にツマの実家に向かうというハードなスケジュール。

こんな日に論文なんて読む気にもなりません。
そこでツマに、自宅にあって未読の小説でお勧めのものはないか訪ねてみたところ、「これ面白いよ。短編の連続物でミステリー要素もはいってるし」と勧められたのが、小路幸也(しょうじ・ゆきや)の『東京バンドワゴン』でした。

東京バンドワゴン

東京バンドワゴン



超おもしれえ。



話はまったくもってベタで、小説の王道まっしぐら。
でもそこがいいんですよ。

読んでいるうちに「寺内貫太郎一家」の光景が頭の中に浮かんできます。

実は見たことないんですけどね、寺内貫太郎一家


もうね、なんといわれようがいいんですよ、文学的な深みとか味わいとかそういう小難しいものがいっさい入っていない、ノスタルジック満載の小説って。

Alwaysが人気なのも肯けます。

実はまだ見てないんですけどね、Always。


とりあえず文庫化されている3冊を今日までに読み終え、いてもたってもいられずハードカバー版の第4作を講義の帰りに買ってきました。


うう、読み終えるのがMOTTAINAI