やろうとしてやれなかったこと
いろいろご意見はあろうかと思いますが、そして自分自身、批判的な見解も述べてきましたが、沖縄の基地問題に対して鳩山さんがやろうとしていたこと(「やったこと」ではありませんよ)は、それほど間違っていなかったと思います。
というか、ここまでちゃんと沖縄の基地負担軽減に向き合ってきた首相はいなかったのではないでしょうか。
いたとすれば、普天間移設を決めた橋本さんくらいかな。
もっとも、その後の混乱を招いたのも橋本さんではありましたが。
辞任会見のなかで、鳩山さんは、アメリカに依存した安全保障体制への疑問を呈しました。
これまでの鳩山さんの持論に鑑みれば、それはすなわち、日本独自の安全保障体制を実現すべしという主張なのでしょう。
それをどうやって実現していくかについて議論すること。
この間の普天間をめぐる一連の流れを見る限り、早晩考えていく必要のある重要なテーマです。
政権が変わろうが、誰が首相になろうが、在日米軍基地が動くのはアメリカの意向によってのみだということが白日の下にさらされたわけです。
なぜそんなことになっているのか。
その議論なしに鳩山さんを批判したところで、何も得るものはありません。
失ってしまったものはあまりに大きいのですが・・・
政治家は「やったこと」で評価されるべき存在ではあります。
しかし「やろうとしていること」もまた重要だと思います。
そして「やろうとしていたことがなぜやれなかったのか」を分析することは、もっと重要。
参議院選挙では、そのような意識で民主党を評価しなければなりません。
そのような思考を働かせれば、その延長線上に沖縄の基地問題の何が「問題」なのか、そして日米のあるべき関係性とは何か、見えてくるのではないでしょうか。
追記
とはいえ、宮崎に行った翌日に辞任したことについては、ほんとに無責任だなと。
何しにいったんだよ(怒)
最大限好意的に考えれば、首相が新しくなれば宮崎にいく時間がなかなかとれなくなるだろうから、だったら自分が首相であるうちにいっておこうということだったのかもしれませんが・・・
もっとも、普天間問題に振り回され、宮崎にいくだけの時間をつくることができなかったという事情もあるのでしょう。
その意味で日米安保の問題は、安全保障だけの問題ではありません。
このことを考えても、アメリカとの関係性を考え直すときに来ていると考えるべきではないのでしょうか。