いまさらかよ・・・

鳩山首相がついに沖縄県内への移設について言及しましたね。沖縄への謝罪とともに。
「沖縄にいく」と言っていた時点で、県内での受け入れを要請するであろうことは予想はついていましたが。


最低でも県外」との公約については、「党ではなく、私自身の(民主党)代表としての発言だ」と釈明していますが、これは詭弁以外のなにものでもありません。
理想的なことばかり口に出しながら実質が伴っていないことが、鳩山さんの信用失墜の大きな原因ではあるけれど、こういう詭弁を弄するタイプではないと思っていただけに、本当に残念です。
しかも「最低でも県外」が実現できない理由に、米軍全体が連携することで抑止力が維持できていることをあげるとは・・・
「いろいろ理想を語ってきたけど、結局はこれまでの日米関係を通してつくりあげられてきた「現実」に従うよりほかなかった」ということですか、鳩山さん!
そのあなたの「理想」に、どれだけの人たちが期待を寄せてきたのか、その重みを理解しているとはとても思えません。


「いまさらかよ!」

・・・というのが、僕自身の率直な感想です。


より冷静にみていったとき、今回の鳩山さんの訪沖、公約撤回、謝罪は、次の首相(民主党からでるかどうかはわかりませんが)のための「つゆ払い」の意味を持っているように思えます。
これで鳩山首相が辞任してしまえば、次の首相は鳩山さんに責任を押しつけつつ、「県内移設」を進めていくことができますから。


そこで思い出されてならないのは、1997年12月21日に、名護市民が「海上ヘリポート(=普天間代替施設)受け入れ反対」の意思を示した名護市民投票の3日後である12月24日、当時名護市の市長をつとめていた比嘉鉄也氏が、自らの辞職と引き替えに普天間代替施設の辺野古沖への受け入れを表明したときのこと。
そのときから、辺野古は、名護は、沖縄は、さらなる混乱の渦へと巻き込まれていったのです。


誰かが腹を切ることで「責任」をとり、誰かに「責任」を押しつけつつ政策を進めていく。
本当の責任は、「誰か」によって担いきれるものではないのにもかかわらず。