惚れたぜ

しばらく時間が空いてしまいましたが「惚れたぜ、青森県立美術館」編です。


飲み過ぎのため朝市を楽しむ余裕もなく、思った以上に揺れる「スーパー白鳥」に若干くるしめられながら、函館から青森へ。
青函トンネルを抜け、本州にはいっても、空は厚い雲に覆われています。


ふにゃふにゃになりながら青森についたのはちょうど11時頃。
さっそくレンタカーを借りて、まずは三内丸山遺跡へ。
ここは無料で楽しめるのですが、ちょっともったいないくらいの施設となっていました。
ちょうど天気も回復してきたということもあり、青空のもとで散歩を楽しむような感じで竪穴式住居の再現施設などを見て回りました。


この遺跡に隣接しているのが青森県立美術館
遺跡をつっきって、歩いて行ってきました。


ここの名物は、なんといっても奈良美智の「あおもり犬」
  

でかいです。なのにかわいい。


この「あおもり犬」を直接みるためには、美術館の周りを延々と歩いて行かなければならないのですが、館内の窓越しでみるよりぜったいに直接みたほうがいいです。
じゃないと、こういうローアングルからの「あおもり犬」はみることができません。


まずは「あおもり犬」をみて、それから延々とエントランスにまでもどって入館。
はいってすぐの常設展会場から攻めました。

そこで対面したのが、縦が約9メートル、横は約15メートルの巨大なシャガールの絵。
バレエの舞台の背景画として使われたもので、全4枚のうち3枚があります。
壁面は4つ。絵は3つ。
1つあけてある壁面に、4枚目がそろうのはいつのことだろう。


この圧倒的な存在で迫ってくるシャガール的空間に魅了されつつ、もうひとつの目玉である奈良美智の作品群へ。
この世界もまた独特なんですよね。そしてちょっと怖い。なのに目が離せない。
見ちゃいけないものを見ちゃった感があります。
しかもそれが、実際に「のぞき見」的に見ることができるような仕掛けが施してあり、ますます目が離せなくなります。

その他、寺山修司の展示などもあり、常設展だけでけっこう楽しめます。


今回は特別展が2つやっていました。1つは太宰治関係のもの。そしてもう1つが「馬場のぼる展」です。
時間の関係もあり、後者のみを観てきました。


車で向かっている途中で、この馬場のぼる展のポスターを見つけたツマはけっこう興奮していたのですが、僕は特に知りませんでした、馬場のぼる
「11ぴきのねこ」で有名な絵本作家で、自分も読んだ記憶はありませんが、この絵をみたことはあります。
そういう程度の認識だったので、まあみてみようか的なスタンスではいったのですが、かなりたのしめました。
馬場のぼるが、かつて漫画家であったころの作品が多数展示してあり、その内容が時代を反映していておもしろかったし、なんといっても馬場のぼるってすごく絵のうまい人なんですね。
当たり前と言えば当たり前なんだけど、しっかりとしたデッサン力があり、色の使い方もすごくうまい。
その作品群があちこちにたくさん展示してあります。

これはかなり楽しめます。時間を忘れて漫画を読みふけってしまいます。
思った以上の時間を費やしてしまいました。


あと、この美術館で特筆すべきは、徹底したヴィジュアルの管理。
詳しくはこちらを見てもらいたいのですが、菊地敦己さんというデザイナーが、館全体のビジュアル・アイデンティティを監修しています。
実は調べてみる前は、佐藤可士和さんのデザインだと思っていたのですが、ともかくこの徹底ぶりがいい。
そしてそれが楽しめる。
館全体が1つのアートになっているんですね。


そんなこんなでかなりの時間を費やしてしまったため、急いで高速にのって白神山地についたのは夕方の4時。
ビジターセンターで資料を収集し、さらに車でいけるところまで進み、ほんのちょっとだけ白神山地にはいってきました。

夜は弘前に宿泊。前日の函館で海の幸を堪能したので、敢えての焼き鳥屋をチョイス。
地元臭のただようお店に意を決して入店。


超うめえ。


翌日は八戸まで向かいました。次回は「あついぜ!根城のボランティア」編です。