鎌田遵『ネイティブ・アメリカン−先住民社会の現在』

ひさびさに本の紹介。いちおう「くまよむ」なので(^^;)


岩波新書から今年の1月に出た鎌田遵『ネイティブ・アメリカン−先住民社会の現在』です。


アメリカ先住民学の研究者である鎌田さんの研究については、『「辺境」の抵抗−核廃棄物とアメリカ先住民』(御茶の水書房)、『ぼくはアメリカを学んだ』(岩波ジュニア新書)の既刊2冊も読んでいます。

ちなみに奥様である石川徳子さんの『米国先住民族と核廃棄物−環境正義をめぐる闘争』(明石書店)も既読。


というのも、アメリカ先住民が抱えている諸問題は、基地問題を中心とする沖縄が抱えている諸問題と共通するところが多いんですよ。

そして、先住民ではない、日本人である著者が先住民について研究し、語るときに感じる、なんとも表現しがたい何かと、沖縄にルーツをもたない、日本人である自分が沖縄について研究し、語るときに感じるそれとが、ひじょうに似通っているからでもあります。



で、この『ネイティブ・アメリカン−先住民社会の現在』ですが、全力でオススメします。

そして、敢えていいますが、沖縄に関心のある人たちに、特に強く勧めます。


その理由は特に書きませんが、「民族自決への道」「つくられる先住民像」「負の再生産」「辺境からの挑戦」などといった章のタイトルをみるだけで、関心を惹かれる方も多いのではないかと思います。


文章も読みやすいですし、これ一冊でネイティブ・アメリカンの歴史と現在についておおよそのことがわかるようになっており、入門書としても最適です。


出たばかりだからまだ店頭にも残っていると思います。
新書だから安いし。

ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在 (岩波新書)

ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在 (岩波新書)

ぼくはアメリカを学んだ (岩波ジュニア新書)

ぼくはアメリカを学んだ (岩波ジュニア新書)

「辺境」の抵抗―核廃棄物とアメリカ先住民の社会運動

「辺境」の抵抗―核廃棄物とアメリカ先住民の社会運動

米国先住民族と核廃棄物

米国先住民族と核廃棄物