事故米の余波

住んでいるところの近くに、いきつけの居酒屋があります。
魚とホルモンがおいしくて、焼酎があって、しかも安い。
近所にこういうお店があると、日常が豊かになりますよね。


今日、久しぶりにその居酒屋にいってきました。
その居酒屋では焼酎のボトルキープをやっているので、いつもビールを一杯だけ飲んで、それから焼酎にいくことにしてます。

どの焼酎をキープするかはそのときによって変わるので、何をキープしていたのかは忘れてしまうのが常。

今回も、同様のパターンでした。

で、お店のお姉さん(よく働くチャイニーズ)が持ってきてくれたのは、A酒造の芋焼酎でした。

例の、つかまされてしまった事故米を米麹としてつかっていたため、大変な損害を被った酒蔵の芋焼酎です。
お店によれば、製造年月日から事故米をつかっていないボトルであると判明しているとのことでした。


ここで僕は、そんなボトルを出した件の居酒屋を批判しようとして書いているわけではありません。
そもそも、ちょっと過剰なんじゃないのと思っているくらい。

ただ、そのあとにお姉さんがいった言葉に、ちょっと考えさせられちゃいました。


「うちではもうこの焼酎はいれないよ」


A酒造は、今回の件についてはまったくの被害者です。
損害賠償を請求したとしても、ほとんど無駄でしょう。

その、まったくの被害者であるA酒造が受けている被害の実態を目の当たりにしてしまいました。

A酒造によれば、事故米をつかって製造された焼酎を飲んでも、健康上の問題はないとのこと。
それでも、事件の重大性を考えて、A酒造は件の芋焼酎を全部回収しました。

そうやって回収するだけでもたいへんなコストがかかるし、その焼酎をどこにどうやって廃棄するのか考えると、なんともやるせない気持ちです。

でも、問題はそこだけでは留まらないんですね。
回収し、廃棄までさせられて、さらに顧客まで失ってしまう。

焼酎好きとしては、なんとも切ない話でした。