荒岩一味的とはなにか

異論はあるかもしれませんが、料理をテーマにしたマンガの双璧といえば、『美味しんぼ』と『クッキングパパ』だと思います。

どちらが好きかと問われれば、迷いなく『クッキングパパ』とこたえます。
美食を追及することもいいけど、日常の料理のなかに喜びや幸せを見出していく方が、僕は好きなんですよね。

なお、『クッキングパパ』とはどういうマンガなのかというと、

荒岩一味は仕事も家事も完璧にこなす元気なサラリーマン!!
新聞記者として働く虹子さんは、家事はちょっぴり苦手だけどいつも明るく元気なお母さん。
長男・まこと、長女・みゆきの4人家族の食卓にはいつも笑顔があふれています。
そんな荒岩一家を中心に"おいしい笑顔"の輪がどんどんふくらむ物語です。



                       掲載紙『週刊モーニング』の作品紹介文


う〜ん、いつ読んでも名文だ。


で、その『クッキングパパ』が、山口智充主演で先日、実写ドラマ化されてました。

途中から観ていたのですが、ドラマでの荒岩は、すごい積極的でした。
問題を解決するために自分が積極的に動いてました。

ドラマだから、そうしたのだと思います。



でも、それって荒岩のキャラじゃないんですよね。


マンガでの荒岩は、むしろ脇役。
登場しない回すらある。
主役はあくまでも料理であって、荒岩は料理をする人。
なにか問題があったとしても、解決してくれるのはたいてい料理。
周りのほかの人たちが解決してくれたときは、締めの料理を荒岩がつくる。
その結果として、"おいしい笑顔"の輪がどんどんふくらむ。
だいたいそういう感じなんですよね。



だから、おせっかいな荒岩ってのは、すごい違和感あるんですよ。

おそらく連ドラ化を狙ってるんだと思いますが、この路線でいかれるとファンとしては辛いなあ。
みてらんない。


あと、長男のまことくんの料理コンテストについてのストーリーが不自然に短くなってましたが、なんかトラブルがあったんでしょうね、きっと。