京都学生モノ

そういってしまっていいのかはわからないけど、最近「京都学生モノ」の小説を立て続けに読んでいる(新書読みはお休み中)。

といっても作者は2人だけ。森見登美彦万城目学

読んだのは前者が『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』、『太陽の塔』。後者が『鴨川ホルモー』、『ホルモー六景』。

いずれも、京都の大学生による京都を舞台にしたちょっと不思議な(=現実社会とは異なる)ところのあるストーリー。

そしていずれも、伏線があちこちにはってあり、最後にうまく帳尻のあう展開になっており、何度も読み返しながら読み進めていくことになる。特に森見さんの作品はそう。
万城目さんのほうも伏線が効いているけど(特に六景のほう)、ややみえみえな感じも。
ただ万城目さんの小説には、不思議世界の謎解き要素があるので、それがおもしろい。もりみーは不思議世界を説明しようという意識をまったく持っておらず、それはそれでおもしろいのだけど。

それぞれ独自の世界観をもっており、それに馴染めるかどうかによって好き嫌いのわかれるところなんでしょうが、こういう不思議世界も、学生たちのおバカさ加減も、京都が舞台であるからこそ成り立ってるんだろうなと思う。

万城目さんが「六景」のほうで、登場人物の1人に「上手に説明できないけど、あれは京都でやっていたから、あんな滅茶苦茶ななかにも、調和がとれていたんだと思う。ここは−−東京だよ」と言わせているのだけど、まさにそんな感じ。

で、

「いいなあ、京都」

って思える。

京都に生まれ育った人はどう読むのかわからないけど、ソトから京都をみている自分としては、リアリティのある京都が構成されていると感じました。

両氏ともに、出身は関西ではあるけれども京都ではなく、そして大学はともに京大。関西の人たちがもつ京都のイメージは、それ以外の地域の人たちがもつそれとは違うのかもしれませんが、いずれにせよ、京都からイメージされるものと、小説のなかで描かれている京都に、違和感がない感じ。

それをもってリアリティを感じてます。




「そうだ、京都いこう」