「いいこと」を超えて

土曜日、非常勤先の大学のある茅ヶ崎までいってきました。といっても講義があったわけではなく、学生が企画したまちおこしイベントに参加するため。

学生企画のイベントにはこれまでも何度か顔を出したことあるのですが、非常勤先で学生に請われて、というのははじめての経験。こういうのって、けっこううれしいものです。

とはいえ、当初はまったく期待してませんでした。準備状況もイマイチだったし、どういうイベントなのかが事前にはまったく伝わってこなかったので。


やや遅れて会場につくと、イベントはもう始まっていました。イベント、というよりは報告会+座談会のような形式で、「食べる」をテーマに茅ヶ崎のコミュニケーションネットワークを活性化させようという企画。

かれらは、茅ヶ崎の農家や直売所の場所をまとめた「chigasa ki tchen」という冊子を先日発刊したのですが、その過程を通じて茅ヶ崎で農業をされている方達をはじめ、NPO団体、主婦グループといった人たちとも知り合いになったようで、そうした方達をパネリストに茅ヶ崎の今後について議論する、というのがイベントの主旨でした(いってみてはじめてわかった)。

で、これが意外とおもしろかった。議論は、必ずしも学生たちが予定していた方向では進まなかったのですが、だからこそいろんな話が出てきて、イベント自体は盛り上がってました。これがたくさんの人たちを集めたイベントであれば問題ありまくりなのですが、少人数のイベントだったので、ブレインストーミング的な場となり、結果的に有意義な時間となりました。

茅ヶ崎も、海側と山側ではずいぶんと住民層が違っており、海側、山側それぞれの内部もまたいろいろと異なっていて・・・などといった住民構成の話だとか、湘南っていうよりは茅ヶ崎なんだよね、なんていう発言がでてきたりとか、地域社会学的におもしろそうなネタがもりだくさん。

教員の立場からみて興味深かったのは、今回集まってくださった茅ヶ崎の方達が、本気で学生に期待をしていたということ。大学生が地域おこしに関わろうとすると、ともすれば「ミソ」扱いされたり、「お勉強にきたのね〜」的な遇されかたをされてしまいがちなのですが、ここでは本気で期待されてました。

だからこそ学生たちには、これからも真摯にこうした活動を続けていってもらいたいと思います。地域おこしのような「いいこと」は、自己満足におわってしまったり、善意の押し売りになってしまったりしてしまいがち。やや「まじめさ」が先にたっているようにも感じるので、自覚的に気をつけていってほしいところです。

イベントが終わって外に出るとすでに真っ暗。いつもは昼過ぎには大学を出るので、はじめてみる茅ヶ崎の夜空。星がきれいな、冬の夜空でした。