ベタを極める
かなり久々に演劇をみてきました。青年劇場という劇団の「シャッター通り商店街」という演劇で、招待券をもっている友人に誘われたのです。
内容は、タイトルから想起される内容そのまま。寂れてしまったシャッター通り商店街を復興する物語。
いやいや、ベタでした。タイトルもストレートだし、中味もストレート。
でも、ここまでベタにベタを重ね、ベタを極めると、そうすることによってしかうみだし得ない何かがありますね。途中からはベタな展開をベタに楽しんでいる素直な自分がいました。ちゃんと感動しちゃったし。
結構な歴史のある劇団のようで、観客の年齢層もかなり高め。たぶん、固定客なんでしょうね、このあたりが。
あと自分のなかでちょっとした気づきがありました。
廃れてしまった商店街の話って、これまで「うちの田舎もそうだよな〜」的な感覚で捉えていたのですが、考えてみたら関東近郊に存在するような、生活雑貨を販売する個人商店が集中しているような商店街って、宮崎にはないんですよね。
宮崎の場合、商店街はデパート街に隣接しているので、豆腐屋さんだとかお総菜屋さんだとか、生活に密着した個人商店が集まっているわけではなくて、洋服屋だとか靴屋だとか、そういうお店のほうが多いんです。
関東近郊にあるような商店街のかわりにあったのが、食料品や日用雑貨を扱っているスーパーマーケット。「かどや」だとか「かわだ」といった、地元資本の小さなスーパーが多かったですね。過去形なのは、軒並みつぶれてしまっているからなんですけど。
演劇自体は、単なる成功物語にしていなかったところがよかったかな。そんなに簡単なものじゃないでしょうから。でも、ちょっと希望も抱かせてくれる終わり方で、このあたりがこの劇団のキモなんだろうな。