ある地区における少子化の事由

昨日まで帰省していた実家での母親との会話のなかで、実家のある地域も少子化が進んでいるという話があった。夏祭りの際に担がれる「子どもみこし」の担ぎ手が減り、自分が子供の頃は男みこし、女みこしの2台担がれていたのが、いまでは1台だけなのだという。


少し考えてみて、なるほどと思った。


自分はまだ結婚していないし子供もいないが、妹には先日子供が生まれた。しかし彼女は実家ではなく、同じ市内ではあるが別の地域のアパートに住んでいる。

近所の同級生達も同様で、未だに実家に住んでいる同級生は一人もいない。

しかし、親達は以前と変わらずそこに住んでいる。地区内には一軒家が多く、しかも大体が持ち家。子供たちはそこから独立し、それぞれ別の地域で生活を続けている。結果、地区では少子化が進む。

二世帯住宅、あるいは三世代同居が一般的ではなくなった今、自分の育った地区のような古くからの住宅地では、少子化が、そして高齢化も進まざるを得ないのだろう。


もちろん、地区内での少子化と、市レベル、県レベル、あるいは国レベルでの少子化の進展とは同じではないし、シンクロもしていない。おそらくはアパートやマンションの林立する地域や住宅団地では子供が増えているのだろう。

ただ、古くからの住宅地における少子化が進む事由が、こういうところにあるのだということが、ちょっと興味深かった。


そういえば実家に帰省しても、近所から子供たちの声が聞こえることはほとんどない。

こうして、地域の風景というのは、時を経る中で変わっていくのだろう。