辺野古区、反対決議撤回へ
いよいよ、辺野古のリーダーたちはタテマエという仮面を脱ぎ始めた。
[琉球新報 070430朝刊] 辺野古反対決議撤回へ 区長提案、行政委近く審議
名護市の辺野古区(大城康昌区長)は29日、辺野古区交流プラザで2007年度区民総会を開き、大城区長が区の最高意思決定機関である辺野古区行政委員会(宮城利正委員長)に対し、1999年に行政委が普天間飛行場代替施設のヘリポート陸上案と埋め立て案に反対した決議の、撤回を求める提案を行った。
辺野古区長が反対決議撤回の意向を示したのは決議以降初めて。区長の撤回方針を受け、行政委は近く決議の撤回に向けて審議する。
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記事にあるように、辺野古の最高意思決定機関である行政委員会はこれまで、99年当時に決議した「移設反対」の決議をこれまで撤回せずにいた。行政委員会自体は、誰が見ても受け入れに傾いているにもかかわらず、である。
ある住民は、この行政委員会の態度を「エビのような動き」だといっていた。「反対」を表に掲げつつ、エビのように後ずさりしながら「容認」へと近づいているのだという。うまい表現だ。
このまま反対決議が撤回されてしまうと、政府がいうところの「地元の意思」が、沖縄県、名護市、辺野古ともに「容認」となってしまう。ポーカーでいえばスリーカード。けっこう強い。
宜野湾市長選、参院補選の結果がまだでていないうちからシュワブ沖での調査を始めると防衛施設局はマスコミを通して表明。そして選挙2日後の4月24日、実際に調査に着手。25日には仲井真県知事、島袋名護市長はそろって上京し、久間防衛大臣と会談。で、今回の辺野古区民総会での反対決議撤回の提案・・・
いよいよ、本格的に移設に向けた動きが始まるということだろう。
この状況に対して自分は何ができるのだろうか。何もできやしない。ただただ、こんなになるまでほうっておいてしまったのだという事実に、うちひしがれてしまうばかり。
でも、考えることだけはやめずにいよう。
[補追]
「区民総会で行政委員会での反対決議を撤回しようと呼びかけた」という状況自体が辺野古の意思決定過程の問題性をあらわしている。総会にはなんの意思決定権もないということを示しているからだ。
辺野古区の最高意思決定機関は、記事にもあるように行政委員会。この行政委員会は区長や前区長、老人会代表、青年会代表などのほか、10にわかれている各班の行政委員によって構成されている。
しかも各班の行政委員は、投票によって選ばれているわけではないので、一般の住民の意思は、辺野古区の意思には反映されにくい構造になっているのである。