高校野球考

このところ、高校野球界がさわがしい。

専大北上の問題にはじまり、最近は特待生制度にメスがはいっている。

まあ、たしかに問題ではある。けど、そんなんこれまで当たり前のようになされていたことでしょ？

「当たり前のようになされていた」からといって、問題性が払拭されたりはもちろんしない。ただ、選手達自身の力で、その「当たり前」に抗うことは、おそらくできなかっただろうとおもう。被害者ですよね、かれらは。

それに、特待生制度の禁止に関してはギモンもある。

おそらくは「金で選手を集めることは高校野球の主旨に反する」という理由なのだろう。
しかし、高校野球にお金を投資することのできるだけの財力をもっている私立高校が甲子園の常連校になっているいま、特待生制度をなくしてしまったら、経済的に裕福ではない家庭の子どもたちは、私立強豪校に進学できず、甲子園にでることも難しくなるだろう。
そして、プロ野球選手になったり、大学に推薦されたり、ノンプロで野球を続けたりすることも難しくなるだろう。

だいたい、野球がうまいから特待生になって、何がいけないのだろうか？勉強ができる生徒が特待生になるのと、どこがちがうのか？

タテマエとしては部活であり、教育の一環なのだろうけど、もはや高校野球は、「高校の部活」の枠を超えた存在である。実態としての高校野球に、タテマエを守るためにタテマエに基づいた権力をふりかざす高野連という存在は、どうも気に食わない。

どうも、この機に乗じて以前から禁止していた特待生制度の撤廃を実現しようとしているような気がしてならない。

でも高野連は、高校球児を守るための組織であるはず。便乗するかのように違反をした高校を処分するまえに、高校球児を「カネの世界」から守ることのほうが先なのではないか？

もう、高野連なんてつぶしてしまい、別組織をつくったほうがましなのではないかとおもう。高野連だってたたけばでてくるホコリにまみれているんだろうから、この際たたいちゃえよ、とおもう今日この頃です。