東国原知事誕生に思うこと(一夜あけて)

知事は本名でいくということだったので、敢えてタイトルだけ東国原で*1

一夜あけて、テレビで何度も東さんをみました。選挙戦を振り返る的な映像も多く流れてました。そこから判断する限りではあるのですが、かなりうまい選挙戦をやったんじゃないかなと思います。タレントであることのデメリットはうまく隠し、メリットは最大限いかすという感じでした。

宮崎には「みあがる」という言葉があります。調子にのってるとか、偉そうにしているとか、そういう人に対して「あいつ、最近ちっとみあがっちょらせんか」というふうに使います。そういう言葉があることからも、宮崎という地域がどれだけ保守的なのかわかると思いますが、東さんは「みあがってる」とみられることを、極力さけていたように感じました。

元タレントというだけで、東さんは充分「みあがってる」存在です。そういう存在であるから、そういうふうに振舞わないだけで(たとえばたけし軍団を応援に呼ばないとか)、「あいつ、けっこう真面目やわ〜」となったんじゃないかと。まあ実際、真面目なところもあるようですし。

テレビでのインタビューに答える中で、「芸能界で養ってきた、場を読む目、人を見る目が、選挙で活きた」というふうなことを語ってましたが、まさにその通りだったのでしょう。

もちろん、彼が当選した背景には、保守が分裂したこと、談合事件のあとで建築業界が表立った動きをとりにくかったこと、対抗候補の知名度不足など、彼自身とは関係ないところでの要因が多々あります。が、266,807人もの有権者(全有権者の約29%、全投票者の約44%)が彼に投票したという事実はゆるぎないものがあります。それだけの県民が、変わることを期待したということです。

その期待は、小泉前首相に対して抱いていた期待と近いものがあるのかもしれません。ただとにかく変えてほしい、という無責任な期待。

でも、そんな期待であったとしても、変わることをあまり望まない宮崎県民が、変わることを期待したということは、宮崎をはなれて10年以上がたった自分としては、意外でもあり、うれしくもあるのです。

*1:「ひがしこくばる」と読みます。宮崎では「原」は「ばる」と発音することが多いです。近所にも「中原」とかいて「なかばる」と読む地区がありました。