沖縄の熱き日々⑤〜Road to Metabolic〜

いよいよ最終日。

■19日
07:30 起床。仕事に出るSさんを見送る。奥さんより、シュワブゲート前でティダの会が挨拶運動をしているとの情報を得る。すぐに身支度を整えてシュワブまで歩く。

08:30 ゲート前到着。2月の名護市長選挙に立候補して落選し、現在では名護市議およびティダの会の共同代表の1人として活動している大城ヨシタミさんらの姿が見える。みたことのあるオバアも何人かいる。久々にMさんにも会う。本の宣伝をすると自費で買ってくれるとのこと。先払いで代金をいただき、後ほど郵送することにする。
 
09:00 挨拶運動終了。毎朝8時−9時でやっているようだ。メンバーの車でティダの会の事務所までおくってもらう。
前回も話を伺ったNさんが事務所をあけてくれたので、入り込み、自然な流れでNさんと話をすることに。途中から話が核心に触れてきたので、録音を開始。
ヨシタミさんへの支持の気持ち、守る会に対する気持ちなどについて話を伺う。やはり、市長選挙のときにテント村がヨシタミさんを押さなかったことへの違和感があるようだ。我喜屋氏は辺野古受け入れに合意した人物であり、運動の場に顔を出したこともなく、信用ならない。受け入れ反対を貫き通せるのはヨシタミしかいない、という意見だった。
また、シュワブは、ないに越したことはないけれど、シュワブのおかげで辺野古が助かったというのも事実だという話もしてくれた。全体として、かなり重要な話を聞くことができた。早口だったのが気がかりだが、きっちりトランスクリプトしなくては。ティダの会に本を一冊寄贈。

11:00 ティダの会を辞して、いったんS邸に引き上げ、録音データをPCにおとす。そしてすぐに命を守る会に向かう。
Sさんが1人で留守番をしていた。すぐに大阪から移住してきた、シュワブ前で以前ビラ配りを続けていた男性もやってきた。主にSさんから、最近の守る会についての話を伺う。最近は、オバアたちが守る会に来るのは、1日、15日にジュゴンの会で集まるだけで、通ってくることはほとんどなくなったようである。
本の説明をしたところ、名護の人は基地問題について声にださないけど、活動している話をすると賛同してくれる人が多かったという話になる。本当はウチナンチュががんばったほうがいいのだけれど、親戚などに迷惑がかかるのでできない人が多いという意見だった。また、南部のひとたちが、振興策のある北部をうらやんでいるという話もしていた。

12:00 Naさんがくる。県知事選について話を伺う。県知事選のときに、使われていない街宣車があったことからも明らかであるように、知事選では政党が機能していなかったとのことだった。結局は、勝たなければいけないから、政党も運動も、糸数さんを押していたということなのだろう。

また、もし糸数さんが勝っていたとしたら、政府は振興策を引き上げて沖縄は干上がってしまい、金輪際革新県政は嫌だということになってしまうので、返って負けて良かったという冷静な意見も伺った。「知事におそわれるか、知事とおそわれるかの違い」だとも。もちろん後者のほうがまだマシだという含意であるが。

NaさんがSさんに、防衛施設局は、1月までは防衛省にかわるのに忙しいので、辺野古どころじゃないから大きな動きはないという話をしたとき、Sさんは「よかった」と答えていた。「一日でも長く辺野古の海が守られるから」という気持ちからであった。ずっと闘ってきた人の言葉だと思った。

ゆんたくしている途中で、事務所の前の道路をMP(Military Police:憲兵隊)が辺野古の浜にむけて走っていった。すぐにNさんと浜にかけつけると、Uターンして戻ってくるところだった。監視なのか、脅しなのか。むこうが手を挙げてきたので、自分はつられて手を挙げようとしたのだが、Naさんはにらんでいるだけ。覚悟の違いを感じさせられる。

その後、韓国からの来客があり、にぎやかになる。今でも守る会は、外部からの訪問者を受け入れる場として機能している。

14:50 守る会を辞して、辺野古の浜をみてくる。曇りがちだけど、やはりいつみてもきれいな海。
 

15:10 S邸に戻る。高速バスの時間が近かったので、いそいで荷造りをし、宜野座の高速バス乗り場まで奥さんにおくってもらう。

16:10 バス出発。かなり疲労していたので、バスではリクライニングを最大にたおし、ひたすら寝る。

17:55 那覇空港に到着。1650円。宜野座からだと、ローカル線とほとんどかわらない運賃だ。
フライトまで2時間以上時間があったので、大荷物は預け、リュックなどはコインロッカーにいれ、手ぶらで県庁前駅にむかう。パレットで、先日予約していた特製のちんすこうを3つ購入。

18:10 胃腸がよわっている感じがあったので、そばにしておこうと思いながら歩いていると、宮古そば「どらえもん」を発見。店名が怪しかったが、時間もないのではいる。客はゼロ。さらに不安が増す。割り箸もうまく割れない。嫌な感じ。

だが、でてきた宮古そばはとてもうまかった。今回食べたなかではいちばんの味。三枚肉を一枚のこしたが、ほぼ完食。

18:40 まだ少し時間があったので、ネットカフェ「自由時間」へ。メールの確認などをしたほか、マッサージチェアーで少し体を休める。

19:50 空港に再度到着。機内でスピリッツを読みながらかえろうと思い本屋をのぞいてみたが、まだ入荷していなかった。雑誌は2日くらい遅れるのでしかたない。カバンのなかには勉強用の本もはいっていたのだが、どうにも読む気にならなかったので、衝動的によしもとばななの『デッドエンドの思い出』を買う。

20:40 離陸。

22:50 着陸。10分ほどはやくついた。

00:05 自宅に帰り着く。(終わり)