キッザニアとポパイ

先日、豊洲キッザニアという施設がオープンしました。民放各局のみならず、NHKまでもがせっせと宣伝してましたので、聞いたことある人も多いのではないかと思います。

この施設は、要するに、子供たちが遊びながら職業体験をする施設。ソフトクリーム屋、ピザショップのような飲食系から、消防署や銀行、さらには運転免許試験場とかクレジットカードセンターのようなマニアックな職業まで、全70種類以上の職業体験ができるようです。
で、働くとキッザニア内でつかえる擬似貨幣をもらうことができ、その擬似貨幣は貯金(利息は年10%!)することで、次回きたときにもつかえるようになっているのだとか。

入場予約のページに「学校受付」があることから、遠足や修学旅行の行き先としても利用されるのでしょう。つまりは、「働くことの楽しさ」を知ってもらうことで、ニート対策にでもなるという目論見であると思われます。NHKが民間の施設を敢えて紹介しているのは、そういう意図なのでしょう。
きっと将来、就活のときに、「キッザニアで銀行の仕事を体験したことが、金融に興味をもったきっかけです」なんていう人がでてくるのでしょう。ええきっと。

キッザニアはエンターテインメント施設なので、その職業体験はさぞかし楽しいものに仕上がっていると思います。なので子供たちは、「ママ、僕、銀行員になりたい」、「わたし、アコムではたらきたいの」なんていっちゃったりして、ご両親を喜ばせることでしょう。

まあでも、仕事なんて、しんどいことのほうが多いわけで、だからキッザニアニート対策になるとはとてもおもえません。キッザニアってのは、あれですよ、ポパイの英語遊びみたいなもんですよ。
「英語の勉強するからファミコンかってー」と「将来ちゃんと働くからキッザニアつれてってー」のどこに違いがあるのでしょうか。

ポパイの英語遊びをして英語が得意になる可能性がたいして高くないのといっしょで、キッザニアにいったところで、将来その子供がすすんで仕事をするようになる可能性は、たいして高くないでしょう。


・・・でも、自分がもし子供のころにキッザニアがあったら、絶対いってただろうなー