文明の利器
先日、論文集に収載された論文の抜き刷りをいただいた。抜き刷りというのは、学会誌や論文集(本になっているやつ)に収載されている自分の論文だけを冊子にしたもののことで、お世話になっている先生方や研究仲間に渡すためにつかわれる。
この抜き刷り、学会誌の場合はお金を払えば印刷所がつくってくれる(紀要論文だと無料の場合も)ことが多いが、論文集の場合は抜き刷りが作成されることはあまりない。そこでいきおい、自分で本をコピーして作成することになるのだが、先日いただいた「お手製」抜き刷りはちょっと凝っていた。
ちゃんと冊子状になっていたのだ。
本のコピーから冊子状の抜き刷りにするためには、けっこうややこしい作業が必要になる。特にそのままコピーしてもそれが原本にはならないので、半ページずつコピーして並び替えて両面刷りして・・・
それだけでもたいへんなのに、さらにもう1つ問題がある。綴じ方だ。
冊子状にするためには、中綴じ、つまり紙の中心線にそって、縦にホッチキスをとめる必要がある。でも普通のホッチキスでは、横にしかとめられない。縦にすることもできるのだが、そのためには紙の横幅と同じ長さのアームが必要になる。そんなバカでかいホッチキスなんて、日常的には無用だ。
で、件の抜き刷りをみてみると、果たして中綴じされていた。これはどうやってとめたのか?もしや専用のホッチキスを買ったのか?
聞いてみたところ、教えてくれたのがこのホッチくるだ。
なるほど!これなら簡単に中綴じできる。ちょっとした発想の転換が、こういうすばらしい文房具を生み出してくれるのですね。
文房具好きとして、なるほどの逸品でした。さすがは「ホッチキスといえばマックス」だ。