差別的な意図・差別的な現状

沖縄タイムス5月18日夕刊より

麻生太郎外相は十八日の参院外交防衛委員会で、沖縄を視察した国連特別報告者のドゥドゥ・ディエン氏が「米軍基地の集中は沖縄に対する差別だ」と発言したことに対し、「差別的な意図に基づくものではないことだけははっきりしている」と反論した。(以下省略)


麻生大臣は「差別的な意図に基づくものではない」といっているが、じゃあ「差別的な意図」がなければ「差別的な現状」は許されるとでもいうのだろうか?沖縄に在日米軍基地(正確には米軍専用基地)の約75%が集中しているという現状は、差別的ではないのか?


環境不正義ということばがある。


環境負荷(環境に悪影響を及ぼすもの。工場、産廃処理場、原発、米軍基地など)が不平等に分配されている状況をさすことばだ。


沖縄は環境不正義な状況におかされ続けている。米軍基地の集中という「差別的な現状」は、それだけで不正義なのだ。たとえそこに、差別的な意図がなかったとしても。


大臣の反論は、本質的にはなんの反論にもなっていないどころか、むしろ、差別を上塗りしている。そのことははっきりさせておかなければならない。