授業開始

今週の木曜日から、明星大学での講義がはじまった。担当は環境社会学。前期のみの講義なので、去年、東洋大学でやっていた講義をベースに、短縮版でやることになる。


明星大学環境社会学の講義が開かれるのは今年度がはじめて。つまり、前任者がいないということだ。おかげでかなり自由に講義内容やスタイルを決めることができ、ずいぶん気が楽。


今年度の受講生は、未知の講義をとることのリスクに学生がびびったのか、50名弱。東洋では350人というとてつもない数を教えていたので、ずいぶんと雰囲気が違う。もちろん、これくらいの人数のほうが学生との距離も近いし、教えやすいし、教室もざわつかないし、なによりレポートの採点が楽。マイクをつかわないでいいのもメリット。


初回ということで、講義の内容はオリエンテーションが中心。環境社会学とはどういう学問なのか、なんで環境社会学を学ぶ必要があるのかなどについて話す。もちろんこうしたことも重要なのだけれど、僕自身がもっと重視しているのは、授業にむかう姿勢である。ポイントは4つ。

・授業中はしゃべるな。授業を聞きたい学生の邪魔になるから。
・難しくて理解できなくてもおちこむことはない。1つでも理解できたこと、おもしろいなと思ったことがあれば、それでよい。
・授業で話していることを全部おぼえる必要はない。1つでもおぼえられれば、それでよい。
・眠いときは寝ろ。それはもうしかたがない。だからいくら授業がつまらなくても、絶対にしゃべるな。


どだい、90分もある授業を全部理解し、覚えることなんて、そんなこと無理なのだ。でも高校までの授業は、すべてを理解し、覚えることが前提で進められる。だから、「わかったこと」よりも「わからなかったこと」の方にどうしても意識がいってしまい、「勉強は難しい→つまらない」という悪い流れが学生の頭にはこびりついてしまっている。それは、ほんとうにもったいないことなのだ。

だから僕は、どんなに時間がかかろうとも、レポートで評価することにしている。テストにすると、必ず「どこが重要ですか?」「どこがテストにでますか?」という質問がでてくるからだ。どこが重要か、なんて、本来自分にしかわからない。自分が重要だと思ったこと、それが重要なことなのだから。単位をとりたければ、その「重要だ」と思ったことを、自分なりに調べて、レポートにすればよい。楽勝科目ですよ、ほんとに。


授業の後半では、ツバルという島国について扱っている番組をみせた。これは昨年度、東洋の授業でも初回に見せた映像で、学生へのインパクトがとても強かったので今回も見せることにしたのだ。


海抜の低い島々によって構成されているツバルが、地球温暖化による海水面上昇によって年々浸食され、このままでは国が物理的になくなってしまうかもしれない、という厳しい状況について伝えるこの番組は、今年度も効果絶大。ツバルの人たちは何も悪いこと(二酸化炭素の排出)をしていないのに、自分たちを含む先進国の人たちの経済活動および快適な生活のとばっちりを受けて、国さえ失おうとしていることに、いろいろと考えるところがあるようだ。


さて、これからあと12回。どれだけの内容を伝えられるだろうか?いろいろと工夫しないとな〜