プレーオフ

昨日、メジャーリーグプレーオフヤンキースが負けてしまった。

第4戦、5戦と、好機に凡退を繰り返した松井や、プレーオフの5試合でわずか2本しかヒットを打てなかったA.ロドリゲスを「戦犯」だとする意見も多く聞かれるし、高額の年俸をもらいながらそれにみあった活躍をプレーオフでできなかった2人が批判されるのは当然のことでもある。彼らがシーズン中にすばらしい活躍をしてくれたことと、プレーオフでふがいない負け方をしたこととは、やはり別なのだろう。

僕個人としては、もっとも尊敬すべき「同級生」であるところの松井さんが、選手やファンから深いリスペクトをうけているヤンキースというチームに来シーズンもいてくれることを、そして願わくば更なる活躍をしてくれることを、願うばかりである。

でも今日ここで書きたいのは、メジャーのプレーオフのことではない。日本で現在おこなわれている、パ・リーグプレーオフのことだ。

パ・リーグプレーオフは、リーグの上位3チームが、まず3位vs2位で3試合、その勝者と1位チームとで5試合を戦うことになっている。そこでの勝者がリーグ優勝を遂げるのである。3位チームに優勝の可能性を残すことで、ペナントレースをできるだけシーズン最後まで面白いものにし、それによって多くのファンを楽しませ、そして少しでも多くの利益をあげたいと考えたがゆえの制度である。

3位チームにまで優勝の可能性を残すことで、シーズン中はそれほどの成績を残せなかったチームが、短期決戦に勝利して優勝するということもありうる(実際、負けはしたものの、パ・リーグ3位の西武ライオンズの勝率は5割をきっていた)ことに対する批判も根強くあるが、慢性的な人気不足と経営難に苦しむパ・リーグの首脳たちが、このプレーオフをはじめ予告先発制度など、あの手この手をつかってファンの確保に走る姿は、巨人だのみであぐらをかきっぱなしだったセ・リーグ首脳が、巨人の人気低迷によって右往左往している姿と比べて、イキイキとしている。

だがしかし、実際にパ・リーグを取り巻く状況は厳しいものがあるようだ。象徴的なのは、リーグ優勝決定シリーズ「ソフトバンクvs千葉ロッテ」が始まる今日、少なくとも東京では、衛星放送を含めどのチャンネルでも試合の中継がないことである。

スポンサーの関係などいろいろとあるのだろうけれど、シーズン中に、見ているだけでイライラする巨人戦を垂れ流すより、このプレーオフをきっちり報道してくれたほうが、よほど面白いと思うのだが。

それに、ようやく日本のプロ野球会で実現したプレーオフなのに、その面白さを伝えてくれるメディアがなければ、その期待される効果は半減するだろう。

プロ野球人気の低迷が叫ばれ始めて久しい。巨人の人気も、落ちるべくして地に落ちた。もはや、巨人をつよいチームにするだけでは、人気低迷に歯止めはかからないだろう。
プレーオフ制度が人気回復にすぐ接続するとは思えないし、そもそも6チーム中3チームがプレーオフに進めるということ自体がかなり問題含みではあるが、もう少し全体的な視点にたったサポート体制を確立し、プロ野球全体の盛り上げを図っていく必要があるのではないだろうか。1プロ野球ファン(もう過去形になりつつあるが・・・)として、そう思う。

そして、どこも放映しないというのなら、せめてNHKが放映権を獲得するべき。BSでメジャーリーグプレーオフの「録画」を放映している場合じゃないだろ。