パクリたちに告ぐ

昨日、ようやくレポートの採点がおわった。全部で約300。採点自体もたいへんだったが、それを採点票につけるのもかなり時間かかった。


300もレポートを読んでいると、はじめのパラグラフを読むだけでだいたいレポートの水準がわかる。ちゃんと自分で考えて書いているのか、ただネットで探したものを貼り付けただけなのか、などなど・・・


それと同時に、だいたいの学生のレベルというものもみえてきた。だから、そこから大きく逸脱しているものは、妙にめだってしまう。その逸脱は、マイナスの方向ではない。プラスの方向の逸脱。つまり、できすぎたレポート。


できすぎたレポート。それは、よくできたレポートとは似て非なるもの。論文の盗用、いわゆるパクリである。


採点しているときにいちいちパクリかどうかを調べるのは非効率的なので、パクリの疑いのあるものは印をつけておいた。5本のレポートにパクリマーク。そして最後にまとめてパクリかどうかを調べてみた。4本がマルパクリ、1本が部分パクリ。

パクリの断定

どうやって調べるか?Yahoo!googleで、パクリ容疑のかかっているレポートのなかから適当に抜き出した文章の一部を検索するのである。そうすると、パクリレポートの場合は1ないし2件の該当がある。そのサイトにいってみてみると、果たしてレポートとほとんど同じ内容の文章が画面に照らし出されるというわけである。

もちろん本や雑誌からパクッてきたものについては、これではわからない。でもだいたいにおいてパクるような学生は、ネットでキーワード検索してひっかかったものを貼り付けるだけなので、ほとんどこれで確定できる。

難しいのは情報の引用。たとえば言葉の定義などについては、そのまま貼り付けることもあるだろう。ただしその場合には引用元を記しておかなければならない。それがないものはパクリに値するのだけれど、おそらく悪意はないので、今回は「情報パクリ」として不問に付した。課題も「調べて論ぜよ」だったし。ということで、今回問題としたのは「論文パクリ」。

パクリレポートの特徴

・語尾だけかわっている。だから検索するときには一文まるまる抜き出すのではなく、語尾は省く。
・自分ではつかわなさそうな接続詞や用語は省いてある。たとえば「然るに」とか、「トートロジー」とか。
・参考文献、引用文献が記されていない。
・男性率高し(今回ひっかかったのは全員男子生徒)




パクリたちに告ぐ。

これはれっきとした盗作である。出席点に免じて単位はあげることにしたが、秋学期はどうするかわからない。引用と盗作の違い、これは今後社会に出た後でも常に意識しておかなければならないことである。以後、気をつけるように。


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