クラシック音楽と映像

オルフ:カルミナ・ブラーナ

オルフ:カルミナ・ブラーナ

今日の『芸術劇場』はベルリンフィル特集。もともとウィーンフィルよりベルフィルの方が好きだったし、なにより今日の放送はサイモン・ラトル指揮の2004年ジルベスター、演目がオルフの「カルミナ・ブラーナ」と、これは見逃せない内容。用事があったためにきっちりHDDに録画し、帰宅後すぐに堪能しました。

この演奏、実はすでにCD化されており、タワレコで視聴したときに一目惚れして既に取得済み。なので、演奏自体は聞いたことがあったわけです。これが映像といっしょになるとどうなるのかが最大の関心でした。

で、まず驚いたのは、クラシックのコンサートであるにもかかわらず、青と赤の証明がつかわれていたということ。たしかにそういう演出に耐えるような曲ではあるのですが、ちょっと驚きでした。

あと、ラトルの指揮が、演奏者サイドからみればおそらくあわせにくいだろうと思わせるタクトの動きであるにもかかわらず、演奏はピシッとあっていたことに関心しました。オケと合唱と指揮者とがしっかりと結びついている感じが、見ていて気持ちよかったですね。

それにしても映像があると、音だけでは感じ取れない、生っぽさが伝わってきますね。昔は、映像があることで余計な情報が増えてしまい、音楽に集中できないなと思っていたのですが、映像がなければ伝わらないこともあるんだなということに最近気づき始めました。というのも、CDを聞いていると、時折ですが、ちゃんと人が演奏しているんだという感覚がなくなって、うまい言葉がでてきませんが、抽象的な、個性のない演奏に聞こえてくることがあるんですよね。それだけ想像力が衰えたということなのかもしれませんが。

なお、もうひとつの演目として、ベルフィルのピクニックコンサートも収録されていました。ラン・ランという中国人のピアニストの度肝をぬく演奏もすごかったのですが、印象的だったのは会場の様子。野外ホールでの演奏会だったのですが、観客がラフに、思い思いに音楽を楽しんでいるんですね。演目はチャイコフスキーのピアノコンチェルトなのに、とってもラフ。なんだか、こういうのっていいなぁとすなおにうらやましかった。クラシックを楽しむという文化が根付いているからこそ、こういうラフな楽しみ方ができるんだなと。

ああ、たまには生で音楽をきかなくっちゃ。