がんばれらくらくホン

いま自分が使っている携帯はdocomoP905i。約9年間携帯をつかっていますが、最新機種を購入したのはこれがはじめて。月々の使用料金が905シリーズ以降やすくなったのを機に、12月上旬に機種変しました。

この最新機種をひっさげて(大げさ)宮崎に帰省し、姪っ子の写真や動画を撮りまくり伯父バカっぷりを発揮してきたわけですが、さすがは最新機種、画面はでかいし写真もキレイ、撮影した動画のうごきもスムーズ。

これを見ていた中高年向けカンタン携帯、「らくらくホン」ユーザーのばぁば(つまり我が母)。

「私もP905iにかえたい」

比較的早い時期の機種だったということもあるのでしょうが、母のつかっていた「らくらくホン」は、画面も小さくカメラもしょぼい。

これでは自慢の初孫を堪能できないと不満を持っていたようで、P905iユーザーである息子が帰省しているあいだに購入し、使い方を学ぼうとなったわけです。孫の力は偉大ですw

で、さっそく翌日、docomoショップにてP905iを購入したのですが、実は父親が未だに携帯をもっていなかったので、じゃあこれまで使っていた「らくらくホン」を父親にあげ、新規契約しようということになりました。

その旨を父親に打診してみたところ、これまで携帯に関心を示してこなかった父があっさり了解。やはり孫の力は偉大ですww

で、その翌日、またもやdocomoショップにいき、新規契約。新規であれば実質0円の「らくらくホン」があったので、結局母のお古ではなく新品を購入。

帰宅後、初期設定をするにあたり、はじめて「らくらくホン」をいじったのですが、よくできてますね、これ。

携帯やパソコンを日常つかっている自分たちは、携帯やネットについての「基本的な了解」ができており、「こういうときにはこういうことをすればよい」というおおよそのイメージを持っています。携帯のほうもそのことをわかった上でいろんな機能をのせているわけですが、「らくらくホン」は、ユーザー側の「基本的な了解」を前提としない作りになっていました。

「メールに添付されてきた写真を待受画面にする」という作業を思い浮かべてください。

まず思い浮かんでくるのは、「画像をどこか(データBOXなど)に保存しなくては」だと思います。

ですが「らくらくホン」の場合、「どこかに保存する」という作業が必要ないのです。「どこかに保存する」という概念がないといってもいいかもしれません。

写真付きのメールを受信した時点で、すでにその写真は適切な場所に保存されているのです。だからすぐに待受画面にすることができるのです。

これは逆に言えば、「基本的な了解」をもっている人にとっては、使いにくさにもつながります。

実際、「どこかに保存する機能があるはず」と思っていた自分は、しばらく「らくらくホン」と格闘した後に、ヘルプをみてようやく「メールを受信した時点で保存はすでにできている」という事実に行き当たりました。



今後、高齢者による携帯所有は増えていくだろうと思います。高齢者に携帯を持たせたい事情が、息子や孫たちにあるわけですから。

そこでネックになるのは、携帯の操作法。高齢者のほとんどは、「基本的な了解」をもっていないので、既存の携帯をそのまま与えても使いこなせない場合が多いと思います。この点、「らくらくホン」が果たす役割は大きいでしょう。

ただ一点だけ注文が。

「基本的な了解」なしに使える携帯としての「らくらくホン」は、それゆえに携帯についての汎用的な知識を得ることはできないので、ユーザーは「自分がつかっているらくらくホン」しか使えないという事態に陥りがち。

なので、新機種を出すのはしょうがないとしても、旧機種もずっと売り続けてほしい、少なくとも修理体制だけはしっかりしておいてもらいたいのです。

企業としては利益を生みだしにくいところなのでしょうが、もはや携帯はライフラインとしての役割を果たしています。企業の社会的責任として、これだけはしっかりとしておいてもらいたいと、切に願います。

なお、P905iにも「シンプルメニュー」機能がついており、「らくらくホン」的な使い方もできるようになっていました。いい傾向ですね。