おもしろい=わかりやすい=正しい?

本日、たまたまみかけた記事です。

もんじゅ:創作落語でPR

 高速増殖炉の必要性をアピールする「もんじゅフォーラム」(文部科学省主催)が18日、福井市の県生活学習館であった。落語家の三遊亭白鳥さんが、もんじゅをテーマにした創作落語原子力長屋」を演じ、参加した約330人の市民を楽しませた。

 演目は長屋のご隠居が、原発に否定的だった長屋の住民や居酒屋のママにもんじゅの安全性・必要性を語りかけ、次第に納得させていくという筋書き。「渋柿は焼酎に漬けるとおいしくなるように、燃えないウランは中性子を当てると燃えるプルトニウムになる」など、分かりやすい例えをあげて解説。後半は日本原子力研究開発機構敦賀本部の緒方義徳・経営企画部長も加わり、クイズ形式でもんじゅについて紹介した。白鳥さんが入場無料のフォーラムにひっかけて「原子力だけにチケットは売らん(ウラン)」などと語りかけると、会場は笑いに包まれた。(毎日新聞 07年10月19日)

[おもしろい=わかりやすい=正しい]という、妙な等式がはびこっている現代の日本社会。落語家もこうやって政府の片棒を担いでしまうわけですね。


僕は基本的には原発にも高速増殖炉にも反対です。なぜなら、ウランという地下資源に頼っている以上エネルギー問題の根本的な解決にはならないし(プルサーマル計画によって使用済みウランから「リサイクル」されるプルトニウムは1%にすぎない)、発電の過程で不可避的にうまれる核廃棄物の問題を解決する手段もあまりに不完全なままだし(捨てる場所もきまってないし、捨てたとしても放射能を出さなくなるまでにモノによっては45億年もかかるし)、なにより何か事故がおきたときに発生する被害が莫大かつ不可逆だから。


あまりにリスクが高すぎます。あとコストも。


なので、本来はそういう話をしなきゃならんはずなのですよ、政府は。
それを、「笑い」によってごまかそうとするこの「もんじゅフォーラム」は、潜在的原発の恐怖に日々さいなまれている福井の人たちをバカにしたイベントです。しかも記事を読む限り、ネタ的にちっとも笑えないし。


それにしてもなぜ文部科学省主催なんだろう?
調べてみたら、こんな資料が。


これは原発関連の技術者養成のための予算のようですが、けっこう文部科学省原発行政に絡んでたんですね。「世界の情勢と原子力・エネルギー」なんて冊子をつくって学校に配ってるらしいし。はぁぁぁぁぁ


原発の授業のときにこの記事つかわなきゃ。それがせめてもの自分なりの抵抗です。