発表の季節、終了

昨日の早稲田社会学会での報告を終えて、6月にはいってからずっと続いていた研究発表の季節がようやくおわった。


元所属ゼミでの報告→他大学ゼミでの報告→軍縮プロジェクトでの報告→学会報告と、ふりかえってみたら4回も報告をしていたわけだ。


その間、自分の報告内容も少しずつ変化していった。このところ、迷惑施設問題を抱えている地域において何が問題で、何をするべきなのか、それを環境正義とケイパビリティ・アプローチという2つの視点から位置づけようとずっと考えている。これを説得力のある仕方でうまく位置づけられれば、辺野古の問題だけではなく、広く迷惑施設に関する問題に適用することが可能になる。でも一方で、そういう普遍化をはかることは、具体的な事例からの距離を生み出してしまうという問題もある。ヴェーバー大先生がいうように「理念型」とのズレから事実を記述するというのは、口で言うほど簡単なことではない(あたりまえだ)。


この4回の報告のうち、3回目までは理論ベースで話を展開していった。初めのうちはよかったのだが、報告のときにうけたいろいろな指摘を取り入れながら修正をはかっていくにつれて、にっちもさっちもいかなくなってしまった。


なので、昨日の報告は、事例ベースで話を展開させてみた。すると、準備していくうちに、どの辺までが妥当なラインなのか、おぼろげながら見えてきた。やはり視点の転換は必要だ。


それにしても、やはり研究は1人でできるものではないとつくづく思う。もちろん、研究をすることは自分にしかできないことだけど、他の研究者からの意見をきくことで、自分の研究のどこに問題があり、どこに限界があり、そしてどこが評価されるのかがみえてくる。


重要なのは、その意見をどう活かしていくかだと思う。すべての意見をとりいれると混乱するし、かといって人の意見をまったくとりいれないのも問題だ。聞くべきところは聞き、否定すべきところは否定する。この見極めは、経験を積んでいくなかでしか身に付いていかない。


ともあれ、これで一通りの報告をおえた。報告を聞いてくださったみなさん、ありがとうございました。


あとはこれを着実に論文に結びつけていくことが重要。8月あたまには原稿の締め切りが1つあることだし、このままのテンションで進めていかなくては。