Electric Sanshin

以下の映画が公開されます。僕は一度みているのですが、示唆的な内容でひじょうにおもしろいです。
沖縄の文化とは何なのか、本当にいろんな文化をミクスチャー=ちゃんぷるーしたものなのか、ちゃんぷるー文化というのは、実は、外向けに発せられたイメージを内面化しただけのものなのではないのか?

さまざまな問いが浮かび上がってくる映画です。ぜひ足を運んでください。


  ☆☆☆12日(日)は、映画:13:30〜14:30+トーク!☆☆☆

沖縄・文化のゴーヤチャンプルー Electric Sanshin

2005 イタリア / 49 min. / 日本語(英語字幕) / 8mm + DVCAM / color49分 /
日本語(英語字幕) / 監督:ロイク・ストラーニ /
3/11より渋谷UPLINK FACTORYにてロードショー公開決定!!

お問い合わせ先:田村将理:080−6559−9708

配給:早稲田大学 琉球・沖縄研究所

劇場:UPLINK X
東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル2F
TEL: 03-6825-5503 http://www.uplink.co.jp

アップリンクXにて2006年3月11日(土)〜3/24(金)のロードショー
各回13:30より上映


出演:
石川真生(写真家)、伊敷幸典、伊波勇道、今井照光(雑誌ちゃんぷるー主催)、
上原知子りんけんバンド)、かっちゃん(音楽家、ex.コンディショングリーン)、
喜納昌吉(ちゃんぷるーず、代議士)、儀間比呂志(画家)、喜屋武幸雄(ロック歌手)、
金城久美子(歌手)、コウサカワタル高坂亘(ミュージシャン)、
杉本信夫(作曲家)、知花竜海(DUTY FREE SHOPP.×カクマクシャカ)、
照屋忠敏、照屋林賢上原知子りんけんバンド)、
中江裕司(映画監督)、名嘉太一(音楽家、ストロベリーナプキンズ)、
名嘉睦稔(版画家)、登川誠仁登川流宗家民謡歌手)、真喜志好一(建築家)、
宮永永一(音楽家、ex.紫)、山城知佳子(映像作家)、ほか


INTRODUCTION
沖縄、日本列島の南海に浮かぶ美しい島々は、その地理的な要因から、長く貿易の交流拠点として複雑な文化的影響の絡み合う独自の文化を育んできた。第二次世界大戦後のアメリカによる直接統治や復帰後も存続する米軍基地のような政治的な要因も加えて、世界に類を見ない東西文化の濃密な混合地点として今日もなおその変化は留まることなく続いている。そうした文化の混合は、しばしば沖縄の言葉で“混ざりあうこと”を意味する“ちゃんぷるー”と表される。

 そうした沖縄で生まれた音楽を耳にした若いイタリア人監督ロイク・ストラーニはそこで行われている文化の“ちゃんぷるー”の深さと広がりとを感じ取り、沖縄現代文化のドキュメンタリーを撮影することを決意し沖縄へ渡る。その一方で“ちゃんぷるー”は、はたして本当に沖縄の人々の自発的な文化表象なのか、それとも衰退する沖縄文化の一体性をつなぎ止めるためのツーリスト向けの商用言語なのか、その問いを中心に撮影は始まった。

四ヵ月の滞在のあいだ撮り溜めた膨大なインタビューは、登川誠仁名嘉睦稔といったビッグネームから、若い世代のラップグループや現代芸術家、市井の人々までに至る。それらは紅型と呼ばれる沖縄伝統の図柄を用いたコミカルなアニメーションの動物たちとの小旅行として再構成されている。49分という短い時間に凝縮されたさまざまな世代・立場のことばたちの交錯は、監督の効果的な編集によって文化の奥にある政治や社会の問題を寓話的な物語のなかに浮かび上がらせている。

 沖縄の音楽文化の広がりをクラブカルチャーから伝統派民謡といったようにかつてないほど広範囲に紹介する優れた文化記録であり、今日、地球規模で急速に起こっている文化の混合現象への一般的考察としての深い示唆性をも合わせ持っている。映画のあらゆる場面を彩る音楽と映像が作品を主題の正当性に依拠した退屈なインタビューの切り貼りになることを回避しており、エンターテイメント性を有した間口の広さと踏み込みの深さを合わせ持つドキュメンタリー作品に仕上がっている。