協会は何のためにあるのか?

hirokuma2005-12-20

「東奔西走記...」のnolitaさんがフィギュア・スケートに関する熱くて厚い日記を書いていたことに触発されて、最近話題の浅田真央選手の年齢制限問題について思うところを少々。


浅田選手の年齢が国際スケート連盟が定めているオリンピック出場資格年齢に達していないために、先日のグランプリ・ファイナルでも優勝した浅田選手がオリンピックにでられないというこの問題。
現在のところ日本スケート連盟も日本オリンピック協会も、この件につき浅田選手の出場資格を認める特例措置を要請するつもりはないという。


もちろん、まだ国内での選考もすんでおらず、今週末の大会での成績が選考に大きな影響を与えることを鑑みれば、この時点で浅田選手の出場資格云々を要請することはできないだろう。


しかし、国内での最終選考を控えている今だからこそ、「浅田選手が国内での選考基準を十分に超える成績を残すことができたなら特例の適用を要請しますよ」、ということはいっておくべきではないのだろうか?


いま、日本の女子フィギュアスケーターたちは、大変なプレッシャーのなかで日々を過ごしている。ただでさえ緊張するはずなのに、今回は浅田選手の問題まで絡んでしまった。こんな不安定な状況のなかで競技に挑まなければならない選手の方たちが、かわいそうでならない。


だから、連盟や協会は、条件をできるかぎりイーブンにするために、浅田選手の成績次第では特例を要請します、と断言しておくべきなのだ。それで、特例が認められなかったとしても、少なくとも今週末の大会には、全ての選手がイーブンに近い状況で挑むことができる。


ともかく、連盟とか協会とかいうところは、選手を守り、育成するためにあるのだから、その本分を忘れることなく動いてもらいたい。千葉すずさんのときのような、アテネの女子マラソンのときのような、テコンドーの岡本選手のときのような、選手の実力以外のもめごとで、選手を惑わすような事態は、なんとしても避けなければならない。そしてそういう事態から選手を守るのは、協会だろう(協会自体がもめごとを起こすなんてもっての他である)。


ちなみに浅田選手は、あの伊藤みどりを育てた山田満知子コーチの指導を受けている。その山田コーチも、四年間トップクラスの実力をキープするのはひじょうに難しいといっていた。特に浅田選手の場合、これから身体的に成長していくことによって体のバランスがかわってしまうため、余計に難しいのだそうだ。


誰にとっても納得のいく形というのはないのかもしれないが、少なくともそうするための努力はするべき。けれども、日本スケート連盟や日本オリンピック協会には、そういう姿勢が全く感じられない。


国民の多くが納得がいかないのは、たぶんそこだと思う。