トランスアジア文化研究会 

10月の例会を以下の要領で行いますので、皆様どうぞ御参加ください。

タイトル:沖縄からの異議申し立て: 野村浩也『無意識の植民地主義』をめぐって

報告者: 田仲康博(ICU
日時:10月14日(金)17:00−19:00
教室:19号館412 号室
総合図書館隣接(坂上、早稲田通り方向)の少し奥まったビルで、アジア大平洋と国際教養が入ってます。
地図はhttp://www.waseda.jp/jp/campus/nishiwaseda.html

無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人

無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人


「私が「反復帰」という時の「復帰」とは、分断されている日本と沖縄が領土的、制度的に再統合するという外的な現象を指しているのではなく、それはいわば、沖縄人がみずからすすんで〈国家〉の方へと身をのめり込ませてゆく、内発的な思想の営為をさす。その意味で「反復帰」とは,すなわち個の位相で〈国家〉への合一化を、あくまでも拒否しつづける精神志向と言いかえて差しつかえない。さらに言葉をかえていえば、反復帰すなわち反国家であり、反国民志向である。非国民として自己を位置づけてやまないみずからの内に向けたマニフェストである。」
  「〈反国家の兇区〉としての沖縄」、『反国家の兇区』社会評論社、1996/09、p. 304
               《注》『反国家の兇区』初版は1971年11月、現代評論社

『反国家の兇区』が世に出てから30数年が経つ。沖縄の状況にさほど変化が見られないなか、沖縄から/への発話は、今もなお「復帰」「反復帰」の両極(?)のあいだを揺れている。本報告では、野村浩也著『無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人』を批判的に考察することで、ポジショナリティをめぐる言説がおちいりがちな幾つかの〈罠〉に光をあててみたい。報告では、『無意識の植民地主義』の内容そのものよりも、本書をめぐる書評のほとんどに「交渉」「抗争」の契機がみられないことをとくに問題にしたい。

  • 会場は80人ほどが入る、比較的大きめの教室です。みなさまのご来場をお待ちしております。