のだめカンタービレ

のだめカンタービレ(1)
二ノ宮 知子
講談社 (2002/01)
売り上げランキング: 148
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あちこちで話題になっていたこのマンガ。元ブラバン少年にとっては、こういう音楽ものは気になる存在。で、読みたいなと思いながらうじうじしていたら、ついに相棒が購入を決意、全巻そろえてくれたので、読んでみました。

お、おもしれぇ

ストーリーのおもしろさをたもちながら、ふつうにギャグマンガ(…っていうと語弊があるが)としても秀逸。芸が細かくて、オタク的なのめりこみ要素も満載だし、名作の条件(だと勝手に思っているのだけれど)である個性豊かなサブキャラの描きこみも充実。この作者の他の作品も読んでみたいと思わせてくれます。

イチローチチローとか、横峯さくら親子などに代表される、「親子鷹」的な、一方向的サポート&成長物語は、いまでも根強い人気がある。でも個人的には、お互いがお互いを高めあう互恵的成長物語のほうが好き。

「のだめ」は、まさに互恵的成長物語。のだめちゃんと真一くんというメインキャラ2人が、それぞれに自分の長所をのばしていくことで、相手に影響をおよぼし、成長していく。2人の成長は、まわりの人たちにもいい影響をおよぼし、全体的な成長がみられる。実に気持ちのいいストーリー。

しかもお金持ちでかっこよくて才能あふれる王子様キャラの真一くんが、のだめちゃんに対してパターナリスティックにふるまうのだけれど、それでも「自分の成長がもっとも大切」だという一線を保つことによって、おしつけがましくはならず(たまになるのだけれど、そういうときはのだめちゃんが逃げていく…この「たまに」おしつけがましくなるところがまた共感できるんだけど)、互恵的な関係を保っている。このあたりが横峯パパとは違っていいんだよね。

音楽やっていたひとも、そうでないひとも、ぜひ読んでください。