西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

最近よく本屋さんでみかける本。3回みかけたので、これは本が呼んでいるなと思い、購入。

物語は主人公の「まい」と、おばあちゃんとの思い出が中心となって進みます。おばあちゃんとのエピソードの1つ1つがいきいきとかがやいていて、こんなおばあちゃんがほしいと、心の底から思いました。そしていま、心の底からイチゴジャムが食べたい(笑)

それにしても最近、オビに惑わされることが多い。この本にも「ラスト3ページ、涙がとまりませんでした」という読者の感想がかかれています。それを読んでしまうと、どうしても期待してしまうんですよね、号泣なシーンを。

で、「西の魔女」がどうだったかというと、号泣というよりはむしろ、涙を目に浮かべなつつ、でもけっして涙にはならず、そんな状態を味わいながらしみじみと最初のシーンをふりかえってみたくなる、そんなエンディング。それなのに、号泣を期待させられてしまっていたので、なんだか拍子抜けな感じがしてしまいました。

最近の「泣ければいい」的な宣伝には、もうあきてきました。すごく単純なんですよね。あるいは短絡的というべきか。ついでにいえば、「感動した」っていう言葉も乱用されているような気がします。不安定な時代にあって、そういうものを求める気持ちはわかりますが、これでは進歩はないよなぁと感じる今日この頃。