沖縄県知事選についての所感

仲井真弘多:347,303
糸数 慶子:309,985
投票率:64.54%)

沖縄県知事選、結果がでましたね。もう少し糸数さんが得票するかと思ってましたし、開票速報の途中までは糸数さんがリードしていたので、最終的に3万7千票も差がつくとは想像してませんでした。

前回、あるいはそれ以前の県知事選の得票とくらべてどうだとか、そういうはなしは今回はやめておきます。

糸数さんは敗戦の弁として、「出遅れた分が足りなかった」といってますが、問題は、出遅れたことによる時間不足ではなく、出遅れに至るまでの経緯にあったというべきでしょう。
もっとも糸数さんも、そのことはわかっている上で、これ以上の革新陣営の分裂をさけるべく、「時間の問題」として語ったのでしょう。しかしやはりそれでは、糸数さんに投票“しなかった”有権者を納得させ、今後つづいていく他の首長選挙につなげていくことはできないと思います。
なぜ「出遅れ」てしまったのか。そこにこそ、現在の沖縄が抱えている問題が集約されているのであり、そこに真摯に向き合っていかなければならないのではないでしょうか。

無理に糸数さんで統一することなく、仲井真、山内、下地の3人で争った方が、長期的な視点に立てばよかったのではないかという意見もあります。一理あると思います。が、それは下地さんがもっと早く、「自分が県知事選に立候補する」と明言した上で、各勢力との政策論争をしていれば、の話です。
知事選の2、3ヶ月前に政策論争をしたところで、それは端から見れば革新側の分裂にしか見えませんし、保守層や無党派層を取り込むことはできません。保革の枠を超えるためには、もっともっと長い時間が必要でしょう。
そういう、早期からの取り組みがなかった以上は、やはり稲嶺県政の後継者に対抗する候補は、統一するより他なかったと思います。そしてその統一候補は、勝つしかなかったのです。

ともかく、沖縄は「県知事選後」に入りました。問題はこれからの取り組みだと思います。選挙がおわったのだから、各勢力はそれぞれ、長期的な視野にたった政策を構想し、提示していくことができます。
もっとも、目の前に直接的かつ具体的な「米軍基地問題」が横たわっている以上、個別闘争的な対応や対症療法的な対応を余儀なくされていることは否めません。そう考えると、近視眼的な視点を採らざるを得ないことこそが、沖縄が抱えている問題の根底なのかもしれません。

仲井真県政が沖縄に何をもたらそうとしているのか。それがこれからの沖縄に何をもたらしていくのか。冷静に、見極めていきたいと思います。